業務提携とは?手法やメリット・デメリットを詳しく紹介

企業に求められることは年々複雑化しており、1社だけでは顧客のニーズに応えられない場合、他社と業務提携をして足りない点を補い合うという解決方法があります。

この記事では、「業務提携」について解決していきます。

結論、業務提携にはメリットとデメリットがあるため、自社に最適かどうか議論が大切といえるでしょう。

業務提携とは?

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業務提携とは、2社以上の企業が経営資源を共有し、お互いに不足している部分を補い合う施策を意味します。

経営資源とは、

  • 人材
  • ノウハウ
  • 設備
  • ブランド力
  • 資金

などが想定されます。

少子高齢化の進む日本では、自社だけのリソースでは対応できない業務も増えてきました。

例えば一からブランド力を確立しようとしても、時間がかかったり、人手が足りなかったりと上手くいかない可能性が高いです。
ブランドの立ち上げに失敗すると、企業にとって大きな損失となります。

そのようなリスクやコストを下げるために、業務提携を選択する企業が少なくありません

業務提携の種類は3つある

業務提携の種類は3つある

業務提携には、大きく3つの種類があります。

  • 技術提携
  • 生産提携
  • 販売提携

技術提携

技術提携とは、業務提携をした他社もしくは自社が持つ技術を使い、自社もしくは他社の製品の研究開発や製品開発を行うことです。

技術提携には特別な技術を持つ企業に使用対価を支払うライセンス契約と、共同で研究を行う共同契約の2種類があります。

技術提携は新技術を開発する時間や費用を削減できる効果が期待できるうえ、技術を組み合わせて新しい価値を生み出すことも可能です。

権利問題でトラブルになることも

情報漏洩のリスクがあったり、権利問題でトラブルになったりするケースも少なくありません。
技術提携を行う場合、トラブルを避けるためにも契約事項を細かく決める場合が多いです。

生産提携

生産提携とは、生産や製造工程の一部を他社にお願いするという提携です。

メーカーが他社のブランドを製造するOEM(Original Equipment Manufacturing)や製造のみをお願いするODM(Original Design Manufacturing)も生産提携といえます。

生産提携は委託する企業に生産設備を持たなくても、商品の生産ができるというメリットがあります。

ノウハウが蓄積されない懸念も

一方で製造を他社に依存することは、技術力やノウハウが蓄積されず、将来的に経営に影響を与えるかもしれません

また受託する企業のメリットは、安定的な収入につながったり、他社のブランド力や商品開発に関するノウハウを学べたりするという点です。
ただし反対に商品を製造するノウハウが他社に漏れる可能性も否定できません。

大きなメリットもあるものの、デメリットも理解する必要があるでしょう。

販売提携

販売提携とは、自社の商品やサービスの販売を販売資源の多い他社に委託するという提携方法です。

具体的な例としては、

  • フランチャイズ契約
  • 販売店契約
  • 代理店契約

などが挙げられるでしょう。

自社だけでは開拓の難しい販路が広がる可能性があり、売上が伸びる可能性があります。
一方で販売を委託される企業にとっても、新規顧客を獲得したり、商品の幅を増やせたりするというメリットがある提携方法です。

業務提携方法は4つある

業務提携方法は4つある

業務提携方法は、大きく以下の4つに分類できます。

  • 資本提携
  • 業務連携
  • 業務委託
  • M&A

資本提携

資本提携とは、それぞれがお互いに株式を取得したり、株式を持ち寄ったりして資金面で強い関係を作ることです。

資本提携は

  • お互いに経営参画する
  • 財務面で支え合う
  • 強い結びつきができる

などのメリットがあります。
一方で資本提携は簡単には解除できないうえ、他社に経営の口出しをされるというデメリットもあります。

業務連携

業務連携は、企業同士が協力してプロジェクトを行ったり、商品を開発したりすることです。

業務連携には明確な定義はなく、小さな共同プロジェクトから大きな共同計画まで、幅広いやり取りで使われます。

また他社とのやり取りだけでなく、社内の他部署間での協力についても業務連携といわれる場合も少なくありません。

業務委託

業務委託は、業務の一部を他社や個人にお願いすることです。

一般的に双方で業務委託契約を結び、それに基づいて業務を行います。
派遣契約とは異なり、勤務時間の決まりや指揮命令権はありません。

業務委託の場合関係性は深くなり過ぎず、発注者と受注者だけの関係にとどまるケースが多いです。

M&A

M&Aは、資本提携よりも他社の株式を多く取得し、子会社にするという施策です。

業務提携の中でもかなり強い結びつきになり、買収側は親会社として子会社の技術力や販売ルートを有効に活用できるようになります。

一方子会社になった企業にとっても、親会社の資源を有効活用できるというメリットが挙げられます。
後継者不在で悩む中小企業の中でも、M&Aが活発に行われています。

業務提携における課題とは?

業務提携における課題とは?

業務提携における課題は、以下の3つが挙げられます。

  • データの統合と管理
  • 情報セキュリティの問題
  • コミュニケーションの課題

データの統合と管理

業務提携を行う際、それぞれの企業のデータを統合して管理する必要があります。

しかし別のシステムを利用している場合、統合するだけで時間やコストがかかる可能性が高いです。
業種によってはデータ統合のために、顧客がサービスを利用できない時間が増えるかもしれません。

またデータ統合や管理に失敗すると、システム障害が起きる可能性もあります。

情報セキュリティの問題

業務提携を行うと、双方の機密情報を開示する場合が多いです。

しかし情報を共有する企業が増えるほど、情報漏洩のリスクが高くなります。
情報をどう守るのか、提携企業との話し合いが大切になってくるでしょう。

コミュニケーションの課題

企業によって社内文化が異なるため、コミュニケーションを取るのが難しい場合もあります。

特に業務提携が

  • 海外の企業
  • 敵対的買収

などの場合には、意思疎通が困難なケースも想定されます。

具体的な業務提携の方法

具体的な業務提携の方法

具体的な業務提携の方法は、以下の3つがあります。

  • プロジェクト管理ツールを利用する
  • APIを利用した提携
  • 提携用のソフトウェアを導入する

プロジェクト管理ツールを利用する

プロジェクト管理ツールとは、

  • 進捗管理
  • スケジュール管理
  • 案件管理

などを可視化して双方に把握できるツールです。

リスクマネジメントがしやすくなり、双方のプロジェクトメンバーを効率的に配置できます。

APIを利用した連携

APIとは、Application Programming Interfaceのことです。

APIを利用すると、ソフトウェアやアプリケーションの一部を他社に公開できます。
異なるソフトウェアを使っている場合にも簡単に連携できるため、お互いの作業の効率化が図れるでしょう。

連携用のソフトウェアを導入する

業務提携を行う際、連携用のソフトウェアを導入する例も多いです。

連携用のソフトウェアを使うことにより、データの統合や管理がスムーズになります。
販売を他社に委託する際にも、連携用のソフトウェアがあると重宝するでしょう。

業務提携を行うメリットとは?

業務提携を行うメリットとは?

業務提携を行うメリットは、以下の7つが挙げられます。

  • 自社に不足している要素を補える
  • 業務効率化が見込める
  • 収益改善・高収益化を見込める
  • 多額の投資が不要
  • 自社ノウハウの強化
  • 販路の拡大
  • 人材交流を通して社員のキャリア選択の幅の拡大

自社に不足している要素を補える

業務提携を行うことで、リスクを抑えて自社にはない部分のカバーが短期間でできます

さらに弱い部分をピンポイントで補充できるため、効率がよいです。
自社だけでの商品開発や販売に限界を感じている場合は、業務提携を視野に入れてみるとよいでしょう。

業務効率化が見込める

苦手な分野を他社にお願いすることで、自社では得意な分野に全力で対応できます。

今まで苦手な部分に割かれていたリソースを集中できるため、経営効率もあがるでしょう。

収益改善・高収益化を見込める

自社単独で苦手分野の取り組みを行っていた場合、莫大なコストをかけても失敗する可能性があります。

苦手分野で既に成功している企業と業務提携を行えば、苦手な分野の失敗のリスクを抑えられます

コストの削減にもつながり、経営の立て直しができるかもしれません。
得意分野を伸ばすことで、高収益化も期待できるでしょう。

多額の投資が不要

新規事業には、多額の投資が必要な場合も少なくありません

商品の開発に成功しても、自社内で商品を作る設備がないと収益化が難しいです。
しかし業務委託をして設備を持っている企業に商品生産を委託すれば、多額の投資をしなくても、商品を世に送り出せます。

資金の少ない企業にとっては、大きなメリットといえるでしょう。

自社ノウハウの強化

業務提携を行うことで、得意分野にのみ集中できる可能性が高まります。

その結果自社ノウハウが強化されて、よりよい商品やサービスが提供できるようになります。
また業務提携した他社から業務を委託されることで、強みをさらに伸ばすことも期待できます。

販路の拡大

自社だけでは、販路の拡大が困難なケースも想定されます

業務提携先の独自チャンネルを利用すると、新規顧客の獲得も見込めるでしょう。

新規顧客が増えれば、収益アップも期待できます。

人材交流を通して社員のキャリア選択の幅の拡大

業務提携先と人材交流をすると、社員のキャリアにも幅ができます

社内にも優秀な人材が増え、企業の成長力向上にもつなげられるでしょう。

業務提携を行うデメリット

デメリット

業務提携を行うデメリットは、以下の5つがあります。

  • 情報流出・ノウハウ流出のリスクがある
  • 提携先とのコミュニケーションコストがかかる
  • 環境整備が必要になる
  • 法的問題を解消する必要がある
  • 提携先のトラブルで自社の株価が下落する場合がある

情報流出・ノウハウ流出のリスクがある

相手の企業が情報管理に慣れていない場合、情報流出・ノウハウ流出のリスクが高くなります。

反対に自社の不手際で相手の機密情報を流してしまい、裁判になる可能性も否定できません。
業務提携の際には秘密保持契約を行うケースが多いですが、リスクを0にするのは難しいです。

情報流出やノウハウ流出に備えて、保険に加入したり、技術流出防止指針を明確にしたりするとよいでしょう。

提携先とのコミュニケーションコストがかかる

提携先とのコミュニケーションを行う場合、コストがかかるケースが多いです。

例えば社内や業界で独自に使っている用語は、別業界の企業と提携した場合に理解されません。
また中小企業の場合、今まで少人数で短時間に伝達していた内容も、相手画題企業の場合情報伝達に時間がかかる可能性があります。

コミュニケーションコストが高いことによって、業務効率が落ちるかもしれません。
コミュニケーション手段を統一したり、不要な情報発信をなくしたりといった労力が必要となります。

環境整備が必要になる

企業同士がやり取りするに当たり、システムやツールの導入が必要です。

そのため時間やコストがかかる可能性もあります。また使用するシステムやツールをどうするのか、企業間での話し合いに時間がかかる場合も想定されるでしょう。

法的問題を解消する必要がある

業務提携には、法律的なリスクも対応しなければなりません

業務提携時にリーガルチェックが行われないケースも多く、後からトラブルになる可能性もあります。
さらに技術面で法的な問題を抱えている場合、先に問題を解消しなければ業務提携自体難しいでしょう。

提携先のトラブルで自社の株価が下落する場合がある

自社に非がなくても、提携先がトラブルを起こせば自社の株価が下落する恐れがあります

提携先の見極めやリスクの共有が大切になるでしょう。
リスクを回避するためにも、提携先についてよく調べておく必要があります。

業務提携について理解しよう

この記事の結論をまとめると

  • 業務提携は企業の間で資源を共有する施策のこと
  • 業務提携には技術提携、生産提携、販売提携の3種類ある
  • 業務提携方法は、資本提携、業務連携、業務委託、M&Aの4種類
  • データの統合と管理は大きな課題
  • 具体的な業務提携はプロジェクト管理ツールを利用することなど
  • 自社に不足している要素を補える点が大きなメリット
  • 情報流出・ノウハウ流出のリスクがある

業務提携にはメリットとデメリットがあり、種類も様々です。
今回の記事を参考に、自社にあった業務提携を模索してみてください。